母の半襟を仕舞うハコ、飾るハコ


「ひとことで表すと、"あったかおにぎり"」
そんなお母さまが遺された、たくさんの半襟刺繍を、
仕舞うハコ・そして飾るハコのご依頼です。

どの刺繍も、とっても丁寧で、愛らしい。
そのお人柄を表しているようです。

上にちょこんと乗っかるように、箱があります。
(箱は取り外すことができます)
下には二段の抽斗(ひきだし)。

「仕舞う箱のような、飾る額のような…」
というご依頼主のなげかけに、
最初のデザイン案は、文字通り"箱"でした。

大きな悲しみからしばらく経ったころ、
嬉しいこと、悲しいこと、おいしいこと、
楽しいこと、泣けたこと、おいしいこと、
いつも通り流れる時間にはいろんなことがあって、
「私もちょっと、使ってみたいなぁ」という気持ちが、じんわり。

「特別なものを仕舞う、特別な箱」も良いけれど、
母のものも、私のものも仕舞えるのなら、なお良い。
いつの間にか"箱"から、脚がついた"家具"に変化して、
「母の半襟を仕舞うハコ、飾るハコ」は、
(わたしもチョットつかう)がプラスされました。

いつか、箱が天板に変わり、
母の半襟を仕舞うハコ・飾るハコと、私の家具。になる日まで、
上の箱は、家具に組みこむのではなく、
脚の先端に、カチッと乗っかっています。

何かをちょこっと置いたりする、スペース。


仕舞うハコsize:横幅68cm 高さ43cm 奥行43cm
飾るハコsize:横幅27cm 高さ42cm 奥行4.5cm
二つ折りにした半襟が、前後2列入るサイズになっています。



飾 る ハ コ

実は、今回一番試行錯誤したのが、飾るハコ。
1Mほどの長さがある半襟、
あまった部分を下にたらしたままにするのは格好がわるく、
とはいえ、たくし上げるほどの長さはなく、
また素材もさらさらしているので固定が難しく、
どうしたら綺麗に飾れるものか…と考え巡らせました。

幸い、どの刺繍も"襟元に見えるところ"と、
刺繍の大きさがおおよそ同じでしたので、
刺繍に合わせて板の上下に溝を切り、
残りの布を後ろ側へ回せるようにしました。
スッキリとして、刺繍が栄える仕上がりに…!

上の棒で吊るして、
下の棒は重りにしてピンと貼ります。
残りの布は、軽く丸めて収納。



製作風景 製作風景 製作風景 製作風景 製作風景 製作風景
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